英語・日本語には未来形がない
7月24日放送の「NHKラジオハングル講座」(入門編)のテキストP.59に
現在連体形は基本的に現在のことを、過去連体形は過去のことを、未然連体形は未来のことや潜在的なこと(現実化してないこと)を表します。
なお、これらはそれぞれ現在形・過去形・未来形ではありません。あくまでも コト を モノ につなぐときの時間性が現在か過去か未来(あるいは潜在的)か、というものです。
と書かれてあります。どうしてそれぞれ現在形・過去形・未来形ではないのでしょう。どういうことなのか、正直よく分かりませんでした。
ちょっと前に買った『日本語学のしくみ(研究社)加藤重広著』というのを読んでたら、こういうことが書かれてありました。
実は日本語では時制は三つではなく、二つです。~(略)~ つまり、日本語では、過去と非過去が対立していて、「非過去」のなかに未来と現在が混じり合っているわけです。
この過去・非過去対立型は珍しくありません。英語やドイツ語もこのタイプです。
~(略)~「明日、お昼ご飯を食べたあとで、公園に行きましょう」という文は、全体として未来(と言っても明日ですが)のことなのに、「食べた」とタ形を使ってます。これは過去の形とは言えません。しかも、「・・・したあと」と言えるものの、「・・・するあと」とは言えませんね。
名詞を修飾するタ形は、一般に、時制ではなくアスペクトを表します。
省略もしてあるし、何を言っているのだろうとお思いの方が多いかもしれませんが、2点のことを言いたいわけです。
一つは日本語の時制は「過去・非過去対立型」であるということです。過去かそれ以外か、それ以外というのが現在と未来が一緒に分類される文法なのです。
英語を考えると、go(現在形)-went(過去形)-gone(現在分詞)と未来形がないわけですよね。フランス語やイタリア語は未来形があるらしいのですが・・・(よく知りません。)
そして二つ目は「名詞を修飾するタ形は時制ではなくアスペクトを表す」ということです。時制が点だとすると、アスペクトはベクトル(矢印と思ってください)になるわけです。(あくまでも私のイメージです。)
日本語と韓国語の文法は似てますが、全く違うものです。違いますが、仮に同じように考えてみると、なんとなーく分かったような気がします。(本当に分かっているかは疑問)
まだまだ勉強が必要ですね。
連体形がテンスかアスペクトかはいろいろと議論されているようです。
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コメント
私も韓国で以前日本語を教えていたことがありますが、もう一度勉強しなおしたいのでこれからもわかりやすい記事を期待しています。
ちなみに自分は国際交流関連のフリーペーパーの編集をしています。
投稿: zak | 2006年8月12日 (土曜日) 午後 10時09分
zakさん、はじめまして。こんばんは。
私なんて独学で勉強しているど素人でございます。大した記事も書けませんが、韓国語の勉強のためにも日本語をがんばって勉強していこうと思ってます。
これからもよろしくお願いします。
投稿: ぱっきー | 2006年8月13日 (日曜日) 午前 12時09分
こんにちは。とても興味深く読みました。日本語学習書を読みたくなりました。いつも面白い話題ありがとうございます。
投稿: hiroharu | 2006年8月13日 (日曜日) 午前 08時51分
ぱっきーさん、今日は♪
昨年度の『NHKテレビ ハングル講座』でも、「用言の過去形と非過去形」が出てきたんですが、覚えていますか?
となると、英語やドイツ語、そして日本語と同じように、
基本的にハングルにも未来形はないと言えるのではないでしょうか?
投稿: コン | 2006年8月13日 (日曜日) 午後 03時23分
こんにちは。
いつも感心して拝見しています。韓国語を勉強し始めて100日目です。ドラマの恋人同士なら、お祝いをするようですが。。。
会話や読み書きにも勿論関心がありますが、韓国の生活様式や考え方にとても興味があります。
韓国語教室で誰のファンですか?と尋ねられた時も
家族からなぜ、その年で韓国語を?と聞かれたときも
明確な理由はありませんでした。ただ、気になるからとしか言えませんでした。
韓国で生活したことを書かれた、黒田福美さんの本(となりの韓国人)を読んで、ますます、嬉しくなりました。
余談ですが、NHKテレビのテキストは次号にかならず、訂正個所がでますね。 パトリシア
投稿: パトリシア | 2006年8月13日 (日曜日) 午後 04時55分
hiroharuさん、こんばんは。
そう言って頂けると、うれしいです。ありがとうございます。
日本人でありながら日本語文法に関しては知らないことがまだまだあります。これからも少しずつ勉強していきたいと思います。
投稿: ぱっきー | 2006年8月13日 (日曜日) 午後 09時10分
コンさん、こんばんは。
そうですね。現在形で未来のことも含めることができますね。
ただまだまだ私は勉強不足を感じました。時制やアスペクトに関することは難しいです。これからもがんばりたいと思いました。
投稿: ぱっきー | 2006年8月13日 (日曜日) 午後 09時16分
パトリシアさん、こんばんは。
韓国と日本って似てるようで似てなく、その微妙な違いを知ったり、今まで知らなかった文化など、とにかく知りたいと思うようになりますよね。その理由は私もただ知りたいというだけです。その知りたいことが韓国語で書かれてあるので、今韓国語の勉強をしてます。知れば知るほど、知りたいことが多くなるので、勉強もそれだけ面白く感じます。
NHKのテキストは短期間で作成しているのではないかなぁ。毎回訂正がありますよね。チェック体制とかどうなっているのでしょう。
投稿: ぱっきー | 2006年8月13日 (日曜日) 午後 09時29分
ぱっきーさん&パトリシアさん、今日は♪
そういえば、2日(水)の放送だったでしょうか?
『NHKラジオ ハングル講座』で小倉先生が言っていましたよね!?
〔今日のドリル〕のところで、
副詞は、普通、□や△などといった記号は用いないのに、
それがテキストでは表現されているって・・・。
ということは、次号も訂正文が載る可能性が大ですよね!?
投稿: コン | 2006年8月14日 (月曜日) 午後 04時56分
コンさん、こんばんは。
言ってましたね。テキストができてから、放送の収録をしているのでしょうね。
また次号に訂正があるはずです。
投稿: ぱっきー | 2006年8月14日 (月曜日) 午後 09時07分